「学生でアルバイトをしたいけど、いくらまで稼いでいいの?」
「たくさんシフトを入れたのに、思ったよりもバイト代が少ない・・・」
楽しい学生生活にかかせないのが、放課後や休日のアルバイト。
でもあまりたくさんアルバイトをすると、税金がかかってバイト代が減ってしまうかも!?
今回は、学生アルバイトでも払う税金のことについて解説します。
学生バイトでも税金はかかる!
学生アルバイトでも、働いて収入を得ると税金を納めることになります。
学生アルバイトがどのような税金を納めることになるのか、大きく分けて2種類の税金がかかります。
所得税とは…所得に対してかかる税金
もらったバイト代=所得に対して、割合で発生するのが所得税です。
所得税には元々、「給与所得控除65万円」+「基礎控除38万円」で、103万円の控除があります。
例えば1年間のバイト収入が200万円なら、200−103=97万円が課税対象となります。
アルバイトで稼いだ97万円に対して、所得税がかかるということですね。
住民税とは…県や市区町村に納める税金
所得税は国に納める税金ですが、住民税は県や市区町村に納める税金です。
地域によって異なりますが、およそ100万円くらいからかかることが多いようです。
よく聞く「103万円の壁」って?
学生や主婦/主夫が扶養内でアルバイトするうえで、必ずぶつかるのが「〇〇万円の壁」です。
これは、税金や社会保険料が発生するボーダーラインのことです。
103万円、130万円の他にも、106万円や150万円の壁などもありますが、今回は学生バイトさんに深く関わる壁について説明していきます。
103万円の壁…越えなければ所得税・住民税が発生しない
学生がアルバイトで稼ぐ収入が103万円以内であれば、
配偶者控除の対象であるため、所得税と住民税がかかりません。バイト代が丸ごと手取りになります。
つまり、月のバイト代が約8万円以下であれば、税金がかからないので安心です。
130万円の壁…超えると健康保険・社会保険料が発生
学生バイトでも、1年間のバイト代が130万を越えてしまうと、親や保護者の社会保険の扶養から外れてしまいます。
社会保険の扶養を外れると、健康保険や年金を自分で払うことになります。
調べてみた:実際の大学生バイトの平均は?
文部科学省の調査によると、平成30年(2018年)の時点で、大学生アルバイトの平均年収は40万円程度だということがわかりました。
1か月のバイト代にすると、約3万円程度です。
103万円の壁を超えないようにしている学生さんが多いですね。
出典参考:文部科学省国立教育政策研究所「大学生の学習実態に関する調査研究について(概要)」
勤労学生控除とは?
勤労学生控除とは、ある条件を満たすことで103万円の壁が130万円に広がる制度のことです。
上記で解説した所得税の「給与所得控除65万円」+「基礎控除38万円」に関して、
「勤労学生控除27万円」が加わり、合計130万円の控除となります。
カンタンに言うと、103万円から→130万円までバイトしてOKになる!ってことです。
勤労学生控除の対象者となる条件
勤労学生控除の対象者となるには、下記3つの条件をすべて満たす必要があります。
- 学生であること(中学、高校、大学、専門学校)
- 1年間のアルバイト代が130万円以内であること
- アルバイト以外の収入が10万円以下であること
つまり、稼ぐアルバイト代が年間130万円以下の学生さんであれば、対象になることができます。
130万円の壁を超えると、勤労学生控除がなくなる
1年間のアルバイト代が130万円をオーバーすると、勤労学生控除の対象ではなくなります。
それに先ほどの「130万円の壁」で解説したとおり、親や保護者の扶養から外れてしまいます。
扶養から外れてしまうと、社会保険料の負担が発生します。
勤労学生控除を利用する際は、年間のアルバイト代が130万円を超えないようにしましょう。
注意!勤労学生控除と扶養控除の関係
勤労学生控除を利用することで、学生さん本人の税金は軽くなりますが、親や保護者の税金が重くなる場合があります。
親や保護者は、子(学生さん)を扶養に入れることで「扶養控除」を受けることができます。
しかし子(学生さん)のアルバイト収入が103万円を超えると、扶養から外れる=保護者は扶養控除を受けることができなくなります。
勤労学生控除を利用したいと考える場合、まずは保護者と相談するようにしましょう。
確定申告とは?
みなさんはアルバイト代をもらうとき、給与明細をチェックしていますか?
ひょっとすると、税金がかからないようにシフトを組んでいるのに、税金が引かれているかもしれません。
これは勤務先があらかじめ1年間の所得税を計算して、お給料から引いているからです。
この、バイト代から引かれた税金をきちんと計算しなおす仕組みが、確定申告です。
確定申告をするとどうなる?
確定申告をすることで、引かれた税金が戻ってくる場合があります。
所得税は、1年間の収入(アルバイト代)をもとに計算します。
なので、年収が確定した後に再計算することで、払いすぎた税金が戻ってくるのです。
確定申告と年末調整とはどう違う?
確定申告と年末調整の意味はほぼ同じです。
勤務先(アルバイト先)に12月31日の時点で在籍していれば、年末調整は勤務先がしてくれます。
アルバイト先が年末調整をしてくれない場合は、自分で確定申告をする必要があります。
この場合、税金はかかる?例に当てはめてみた
ここまで学生アルバイトと税金について解説してきましたが、税金のことってなんだか難しくてピンと来ないですね。わかります。
少しでもわかりやすくするために、例に当てはめて考えてみました。
- パターン1:1年間のバイト代が103万以上になったが、勤労学生控除を申請している
- パターン2:月によってシフト量が違うのに、毎月の所得税は同じくらい引かれている。これって変じゃない?
- パターン3:1年間のバイト代が110万円だった。どれくらいの税金がかかる?
勤労学生控除を申請しているので、130万円までは所得税がかかりません。
しかし103万円の壁を超えるため、扶養控除が適用外となり保護者の負担が上がります。
年末調整をすることで、引かれすぎた税金は戻ってきます。
ただし、例えば11月でバイト先を辞めた場合、バイト先では年末調整をしてくれないので、自分で確定申告をする必要があります。
勤労学生控除を申請していない場合、103万円の壁を超えるため、住民税と所得税がかかります。
所得税の計算方法は、
所得税=(年収ー給与所得控除65万円-基礎控除38万円)×5%
なので、この場合は
(110万円ー103万円)×5%=7万円の5%なので、3500円になります。
さらに住民税も引かれます。
せっかくがんばってバイトしたのに、トホホ・・・
あれ? これなら103万円以内に抑えるほうがお得なのかも・・・?
結論:学生がアルバイトで稼ぐのは103万円までがおすすめ!
いかがでしたか?学生がアルバイトでかかる税金について解説しました。
がんばって130万円以上稼いでも、税金や保険を引かれてしまうのではもったいないですよね。
103万円までであれば、税金がかからないのでバイト代が減ることはありません。
親の扶養を外れることもないので、保護者の負担が増えることもありません。
これからアルバイトを探すなら、103万円の壁を超えないシフトで入れるかどうか、バイト先に相談してみると良いでしょう。
かしこく税金対策をして、楽しい学生アルバイト生活をおくりましょう!