ファストフードバイトの口コミや評判について、特徴や仕事内容などをまとめてみました。
「ファストフード店でのアルバイト」と聞くと、「学生バイト」というイメージを持つ方が少なくないと思います。もちろん、今でも「高校生」、あるいは「大学生」がアルバイトとして働いているのですが、実は、求人サイトなどでは「シニア歓迎」の職場として紹介されていることも多いのが、このファストフード店でのアルバイトなのです。
コロナ時代とも言われる昨今の日本において、なぜ、いまシニアが求められているのか。「超少子高齢社会」や「SDGs」などのキーワードに触れながら、徹底解説していきます。
先の見えないコロナ時代の日本と「ファストフード店」
先の見えないコロナ時代。時短営業や酒類提供の自粛などで外食業界が大きな打撃を受けるなか、実は「ファストフード店」に関しては、比較的好調な業態であると言われています。たしかに、コロナ以前と比較して、テイクアウトや宅配サービスを利用することが増えたという方は少なくないかもしれません。
ところで、日本は現在、超少子高齢社会と言われています。簡単に言うと「65歳以上の高齢者が増える一方で、生まれる子どもの数が増えていかない社会」ということになります。このような傾向は以前から課題とされていましたが、一番の問題は「高齢者1人を支える現役世代(生産年齢人口)の人数が減少すること」にあります。なんと国の予想では2060年には、1人が1人を支える社会、「肩車社会」が到来すると言われているのです。
これまで以上に期待が寄せられている「シニア世代の活躍」
そんななか、いま我が国では、「シニア世代の活躍」に、これまで以上の期待が寄せられています。シニア世代が働く理由は、人それぞれ。「子ども世代や孫世代に負担をかけなくない」という方もいれば、「老後の生活費のために仕方なく」という方、あるいは「認知症や寝たきりを防止するために」という方など、その背景はさまざまです。
ひと昔前は「日本型雇用」の考え方が一般的で、定年後は「社会人としてはリタイア」という風潮が強かったかもしれません。しかし、時代は令和。いまの日本社会では、定年後の年齢であっても、自分なりに「自分に合った仕事を続ける」。そんな「アクティブなシニア」が、一般的になってきたといえるでしょう。
実は大手企業ほどアルバイトに「さまざまな世代」を求めている!?
また、視点を変えてみると、実は企業の側にもメリットがあることがわかります。例えば、最近よく聞くようになった「SDGs(エス・ディー・ジー・ズ)」。国連サミットで採択された地球規模の目標である「SDGs」は、全17の目標から構成されていますが、そのなかには、次のようなものが含まれています。
大手企業ほど、企業イメージの向上や新規事業開拓などを意図して、この「SDGs」の達成を掲げている現状があります。つまり、コロナ禍にあっても好調なファストフード店に関しても、大手であればあるほど「シニアを含めた多様な世代に働いてほしい」と考えているのです。ファストフード店は、まさに「シニア歓迎の職場」といえるでしょう。
ファストフード店でのバイト|シニアが感じる「隠れた声」4選
「働きたいシニア」と「シニアに働いてほしいファストフード店」。一見すると、需要と供給がうまく嚙み合っているように感じます。しかし、これまで「社会人として」、あるいは「主婦として」、「親として」、「地域住民として」、などなど。さまざまな顔を持ちながらも、大人としての責任をしっかり果たしてきたシニアの方たちだからこそ、「そうはいっても、いきなりファストフード店で働くと言われてもねえ」と、仕事に対して不安を感じてしまうことが多いのも事実のようです。
とはいえ、不安を感じる一方で、「新しいことに挑戦することが楽しみ!」と、同時に「期待」も感じる、という方も少なくない様子。そこで、ここではシニアだからこそ感じる「不安」と「期待」について、代表的な声をいくつかピックアップし、紹介していきます。
シニアだからこそ感じる「不安」
仕事に家事に、真面目に向き合ってきたシニアだからこそ感じる「不安」。あなた自身や、あなたの身の回りに、こんな「隠れた声」はありませんか?
とある60代女性・Aさんの場合
『子どもができるまでは飲食店で働いていたけど、子育てがはじまってからは、ずっと専業主婦だった。最近は肩や腰も痛いし、あの頃と同じように働くなんて、きっと無理だわ。しかもファストフードなんて、同僚は学生さんばかりなんじゃないかしら。』
『でも、そうは言っても私と夫の年金だけじゃあ、今の生活を維持するのがやっとなのよね。娘に子どもができて、初孫にも恵まれたし。いつまでも頼られる親でいたいし、孫に何か買ってあげられるだけのゆとりは欲しいわ。』
とある70代男性・Bさんの場合
『仕事なんて、頑張っても何も残らないものなんだよな。だって企業戦士なんて言って、あんなに尽くしてきた会社だったのに、定年で辞めたら、付き合いもぱったりだもんな。家にいても、妻も息子も忙しそうで、別に何を話すでもないし。』
『バイトにでも行ったら?って言われたけど、こんなオレがほんとに働けるのかな。バリバリだった頃はこんなこと思うなんて、考えもしなかった。でも、もしもあの頃みたいに戻れるのなら、少しは頑張ってみたい気もする。』
シニアだからこそ感じる「期待」
「不安」はある。でも、人生経験が豊富なシニアだからこそ、「期待」も感じる。あなた自身や、あなたの身の回りに、こんな「隠れた声」はありませんか?
とある60代男性・Cさんの場合
『定年まで勤めた会社では、パソコンを使った作業が中心だった。若手にやり方を教えることもあったし、教え方の評判も悪くなかったと思う。やったことがない仕事に挑戦したとしても、パソコン操作の知識や職場でのコミュニケーション力に関しては、活かせたらいいなと感じる。』
『前の会社の時には、定年退職された方が補助に入ってくれたことがあった。いろいろ細かいことに気を配っていただいて、チームの誰もが助かったと言っていた。年齢を重ねてきたからこそ、できることもあるのかもしれない。』
とある70代女性・Dさんの場合
『同年代のご近所さんのなかには、施設に入ったと聞く人もいるけれど、すごく元気な人もいらっしゃる。そういえば、60代、70代になってから働き始めた、なんて人もたくさんいるみたいだわ。若い主婦や学生さんと一緒に働くと、なんだか張り合いになる、なんて言っていたわね。』
『今まで子育てや主人の母の介護にかかりきりになっていたけど、もうそれもひと段落ついたわ。自分の時間も持てるようになってきた。家のことだけをやって、あとはただ歳をとっていくだけなんて、なんだかつまらないわね。』
ファストフードバイトの口コミ評判
シニアだからこそ感じる「不安」と「期待」。ファーストフード店の大手各社も、そんな声を意識してか、スタッフとして働くシニアの声をWEBサイト上にまとめています。ここでは、特にわかりやすいページを紹介しておきます。
24時間、さまざまな人が利用するファストフード店。だからこそ、さまざまな世代が働くことで、「お客様目線」が実現できるのかもしれませんね。シニアの人生経験の豊かさが、ファストフード店においてどのように役立っているのか、ぜひ確認してみてください。
「じゃあ実際の仕事ってどんなものなの?」
では、実際の仕事内容とは、どのようなものなのでしょうか。ファストフード店での仕事内容は、企業や店舗によっても異なりますが、大枠としては、次のようなものが挙げられます。
- 「レジ」を担当する。お客様と直接やり取りするポジションなので、接客が好きな人に向いている。
- 「フロア」で店内の清掃等を担う。店舗によっては、お客様の様子を把握しながら、座席の案内等を担当する。
- 「キッチン」で調理の仕事を担当する。家庭での料理以上に、安全や衛生に注意し、企業が定めた品質を保つことが求められる。
- 「ドライブスルー」がある店舗の場合、自動車での来客に対応する必要がある。「レジ」を担当するスタッフが同時に担うことも多い。
- 企業や店舗にもよるが、仕事としては、ほかには「デリバリー」などもある。また、同じスタッフでも「リーダー」の立場で、マネジメントの視点を意識しながら働くこともありうる。
企業や店舗によって若干異なる「仕事内容」
さまざまな仕事の種類があるファストフード店ですが、ここで挙げたものは、あくまでも大枠。企業ごとの違いはもちろんのこと、取り扱っている商品の違いなどにより、店舗ごとにも、細かい仕事内容の違いがあることには、注意が必要です。
また、自分が働くつもりの店舗が、「どこに立地しているか」を考えることも重要です。というのも、立地する場所によって、客層や店舗の規模が大きく異なってくるから。テンポよく色々な人を接客したい方によっては、駅前の店舗が向いているかもしれませんし、「店舗のスペースが広い方が、ゆったりと余裕を持って仕事ができそう」と感じる人もいるかもしれませんよね。ファストフード店は、誰でも気軽に立ち寄ることができる場所です。応募する前に、実際にその店舗に足を運んでみると、「自分が働いているイメージ」を持つことに、つながるかもしれません。
どのファストフード店でも共通することは「コミュニケーション力」
ファストフードバイトに一番必要なものは、何よりも「コミュニケーション力」です。特にシニアの方には、人生経験の豊かさを活かして、若いスタッフやご高齢のお客様と円滑にコミュニケーションを図ることが求められています。
求人サイトなどで「シニア歓迎」と検索すると、さまざまなファストフード店の求人を目にすることができます。このことからも、「ファストフード店=若者」、という構図は、今やすっかり固定観念と化していることがわかります。多様な世代が利用し、また、多様な世代が働く。そんな場所が、現在のファストフード店だといえるでしょう。
「不安があっても研修がある企業なら安心できる!」
「そうはいっても、どうしても不安」と感じる方もいるかもしれません。でも、大丈夫。大手のファストフード店であれば、企業がスタッフ教育に力を入れているため、採用後の研修でしっかり不安を解消することができます。
また、ファストフード店の代名詞ともいえる「マクドナルド」では、「クルー体験会」を開催しているようです。「どうしても不安」という方は、体験会を利用し、事前にファストフードバイトの体験をしたうえで、本当に働くかどうか決めてみてもいいかもしれませんね。
企業の本音はむしろ「シニアにこそバイトしてほしい」!?
ここまで読まれた方なら、きっとわかってくださるのではないでしょうか。実のところ、企業の本音は、むしろ「シニアにこそバイトしてほしい」と考えているのです。なぜなら、我が国の少子化はこれからも進みますし、そのなかで学生バイトの数は激減していきます。一方、高齢化が進むなかで、ファストフード店の利用客は、当然ご高齢の方の割合が増えていくことになります。
そんななか、人生経験が豊富で「まだまだ働くぞ!」と考えているアクティブなシニアの存在は、ファストフード店にとっては、まさに「救世主」。ファストフードバイトというと「学生」というイメージがあるかもしれませんが、「シニアの仕事」の代表格になる日も、そう遠いことではないかもしれません。